アイツのつくりかた

絵と手描き文字で「伝わる」デザインaitsu factoryのブログです

徳島にし阿波取材こぼれ話① すごいぞ!!水も電気も自分で作る家。オフグリッドゲストハウス「Earthship MIMA」

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みなさまこんにちは。

 

絵と手描き文字で『伝わる』デザイン

 

aitsu factoryのみかりんです。

 

aitsu factoryにお仕事を頼みたいと思ってくださる方は先にお読みください↓

aitsu factoryにデザインをお願いしてみたいと思ってくださっている方へ - アイツのつくりかた

 

 


今日は、前回にひきつづき

 

徳島県にし阿波のお話を。

 

 

 

前回の記事はこちらです↓

 

aitsu-factory.hatenablog.com


 

 

取材で移住者さんのお話を聞いていると

 

もう興味深いことがありすぎて!!

 

 


スペースの都合上、移住関連のお話しかパンフレットには載せられなかったので、

 


せっかく聞いたお話をみなさんにシェアしたいと思い、

 

こぼれ話としてブログに載せさせてもらいます。

 

 


こぼれ話第一回は、


美馬市のとある山間部にできた


これからの時代の最先端になろう、ゲストハウスのお話です。

 

 


今回のキーワードは

 

「地球に寄り添う暮らし」

 

「徳島の人のよさ」です。

 

 

(かなり私がアツく語っているので、長いです。)

 

 



早速ですが、みなさん

 

「オフグリッド」って聞いたことありますか?

 

 


私は初耳でした!

 

 


「オフグリッド」とは

 

 

電力会社の電力に頼らず、

 

身近にある太陽光や風力などの自然エネルギーを電力に変え、使用するということです。

 

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そんな、

 

「電力会社の電気」を使わない、


さらには、「水」まで自給自足している!?

 


そんなすごすぎる

 

日本初!のオフグリッドゲストハウス

 

「Earthship(アースシップ)MIMA」

 

徳島、にし阿波にあるのですっ!!

 

 

 


私も取材時に、実際の建物に入らせてもらったのですが、


おとぎの国に迷い込んだような、こんなかわいい建物です♫♫

 

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このマスタードカラーと水色の色合い、かなり私好み♡


このマスタード色は、セメントに酸化鉄をかけて出しているのだとか!





この「アースシップ」の私の驚きポイントは4つ。

 

 


まず、1つめは、

 

「電気も水も自給自足♪驚きの循環システム」



 

 

電気の方のお話をしますと、



建物の上には、太陽光パネルがずらっと。

 

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この太陽光パネルから電気を車用のバッテリーに蓄電。


それをインバータで、直流を交流にして


家庭用電気として使用します。

 


私はこの時点で、


『えーーーっ!家庭用電気って、車のバッテリーで貯めれるんだ!!』とビックリ。

 


どんだけ自分が無知で、

 

今利用しているインフラに頼り切りだったのかということを痛感しました。



お風呂は、太陽熱温水器でお湯を沸かします。

 

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太陽熱温水器って、屋根の上にあるイメージなので、

 

地上に置いてるのはじめて見た。こんなに大きいのね!

 

 


お料理などは、プロパンガスを導入しています。


全てが太陽光発電でまかなうのではなく、数種のエネルギーを置くことで、

 

もしもの時も完全にエネルギーがなくなることがないので安心ですね。




そしてお水はなんとっっっ!!!


こちら建物の屋根の部分が、雨水をあつめる装置になっているのです。

 

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その雨水を、濾過して、塩素消毒して使用しています!

 

 

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雨水をろ過し、消毒したものを、浄水して淹れてくださったお茶♪美味しかったです!!


 

 

今のところ、雨水だけで、お風呂も入れて十分に生活できているのだとか。

 

 


す~~~~~ご~~~~~~~~・・・・・。

 

 



しかも、このお水の循環システムは

 

それだけで終わらなかった・・・!

 

 

 


お風呂・お洗濯・洗面台から流す水は、


アースシップにはサンルーム的な場所に家庭菜園があって


その畑部分の下に流れていきます。

 

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その流れる管からお水がじんわり漏れ出すように工夫してあって


植物がそだっちゃう~。

 

 


私が行った時は巨大ズッキーニが収穫を待ちわびてました。

 

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そして流れた水は最終的にはトイレを流す水として使用されて、


浄化槽を経て排水されます。



なので、つかう洗剤などは植物にも優しい洗剤を使用しています。

 

 



ではでは、アースシップ驚きポイント その2~!


「暖房冷房要らず!!通年21度を保つ自然の空調システム」


 

 

えーーー!!!!暖房も冷房もいらないの!?!?


寒がりだけどエコな生活がしたくて日々葛藤している私には衝撃でした!



 

その秘密は、この建物の材料にありました。


この建物の骨は、『廃タイヤに土を詰めたもの』


それを使用することで、勝手に温度調整をしてくれるらしく


通年21度に保っちゃうんだとか。

 

 


それだけではなく、この建物には自然の空調システムがあって、


暑くなってきたら、裏に通気口が設けられていて


そこから涼しい風を取り入れることができるそうです。

 

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また、サンルーム部分には天窓がついていて


そこからあったかい空気を逃すごとも可能。


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アースシップは世界各地にあるそうなのですが、


むちゃくちゃ寒い場所でも、暑い地域でも


空調ナシでやっていけるんだそうです。




そして驚きポイントその3


「実は建物の材料は『廃材』と呼ばれるものたち・・・!」


先程の空調の話の中で、「えっ!?」と思われた方も多いかと思うのですが、


この建物は、廃材を骨にして作られています。

 

 


1番の骨は、廃タイヤ(しかも四駆のタイヤでないとダメ)800本!!


そして、空き缶は約13000個、空き瓶4000本。。。

 

 


この廃材集めには本当に苦労されたそうです。


 

 

そうですよね・・・量が半端ない。

 

 


それの活かし方も素敵で、

 

 


ビンは、外からの光を取り入れる目的と、デザインの目的があって


とても綺麗!!!

 

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廃材をみごとにこのお家の機能とデザインとして、蘇らせているのです。



そして、驚きポイントその4


この建物の建築が、もちろん専門家の方も携わっていますが、

 

DIYでやっているということ!!

 

 


アースシップは、アメリカの建築家マイケルレイノルズ氏が研究してできたもの。


この度の建設にあたって、マイケル氏が来日され、

 

工法を教わりながら建設するワークショップが一ヶ月開かれたそうです。

 

 


はじめの骨格を作るところは、

 

1ヶ月のワークショップで

 

海外のインストラクターの方から、

 

日本のアースシップに興味のある方まで

 

沢山の方が集まって作ったそうなのです。

 

 


でも骨格ができた後は

 

「じゃあ内装がんばってね~♫」とみなさん帰ってしまい。

 

 


その後は、もちろんプロの内装屋さんにも入ってもらっていますが、


オーナーの倉科さんが自ら腕をふるった部分も多いそうです。

 

 


例えばこのお風呂の白い部分!

 

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これもお風呂OKのセメント探してきて塗り塗りしたとか。

 

 

 


寝室の床、天井は

 

大工さんや左官屋さんと一緒に、倉科さんもお手伝いしたそうです。

 

 

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海外では、自分のおうちをDIYで作ることって、普通なんだそうです。

 

 


この話を聞いて、私の価値観がガラガラと崩れていったというか

 


今まで私は、

 

お家のことは、大工さんに任せたらいいと、

 

どうやって作るかなんてまったく知らないし、

 

自分が触ったら壊しそう!!なんて思ってました。

 

(父は大工だったのにお父さんごめん)

 

 


でも、こうやって自分で試行錯誤して作り上げていくって、

 

大変だけど、工夫するし、家との距離が近くなるなぁって。

 

 


『家と一緒に生きていく』という感覚を感じました。

 

 


また、自分で工夫することで、

 

人間力』『本当の生きる力』

 

みるみる育っていくような気がしたんです。

 

 


アースシップは、普通のお家とは違って、

 

天気の悪い日は電気が足りなくなるということもあるそうですが、

 

 


電気がない時は、電気をたくさん使うことをやめて過ごしたり、


それに合わせて生活する。

 

 


そうやって、

 

『自然にちょっと人間が合わせて過ごす』

 

というのもいいんじゃないかな?と思いました。

 

 


私は、今の地球の状況を見てて、

 

「私たちは、少し昔に戻る必要があるのでは?」

 

とよく考えています。

 

 


このアースシップは、その発想より進んでいて、


快適さも追求しながら、

 

地球に寄り添って生きるような提案をしてくれていました。

 

 




オーナーの倉科さんは、神奈川在住時に東日本大震災を経験し、


自然を変化を目の前にしたら、どうしようもないこともあると痛感したそうです。

 

 


そこから、自然と寄り添って生きる方法を模索し始めた中、


本当に偶然居合わせたワークショップ参加者に、

 

徳島県美馬市が地域おこし協力隊を募集しているらしいよ?」

 

という話を聞いて、

 

 


徳島県がどこにあるのかもイマイチ分からなかったけど、

 

直感で『あっ!行きたい!』と閃いたそうです。

 

 


そして、地域おこし協力隊の任期を勤めている間に、


出しなよ!と勧められたビジネスプランコンテストで、


前々から憧れだったこの『アースシップ』建設についてプレゼンしたそうなのです。

 

 


すると、そこに居合わせた金融機関の方や起業支援の方が

 

『おもしろいね!応援するよ!』と手を差し伸べてくれて、


夢が形になり始めたとのこと。

 

 


この建物ができたのは、

 

もちろんアメリカからきてくれた建築家のマイケルレイノルズさんや

 

ワークショップに集まってくれたたくさんの方のおかげでもありますが、

 

 


地元のみなさん、

 

そして支援をしてくれるみなさんの

 

バックアップがないとできなかった

 

倉科さんはおっしゃいます。

 

 


それくらい、

 

徳島の人は、

 

とってもあったかくて、

 

人をほっとけない人がいっぱいいるんだなぁ。

 

 


取材させてもらった日、


倉科さんは、私にお昼ご飯を準備してくれていました。


玄米ご飯のおにぎりと、大根の煮付けと、白菜の漬物と

 

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ちょうどひな祭りの日でした。可愛い雛人形の演出が嬉しい〜!




農家のみなさんが分けてくださったという地元でとれたお野菜を使ったごはんは、

 

素朴で本当に体にしみわたるようで美味しかったです。

 

 


倉科さんは、この土地に来た時、全く知り合いがいない中、


気さくに「うちでお茶していきー」と言ってくれる方が

 

何人かいらっしゃったそうです。

 

 


はじめはとてもびっくりしたそうなのですが、

 

その存在に救われたそう。

 

 


今となっては、

 

遠方から来られた方がお腹をすかせて帰るのでは?と気になって、

 

自分も気遣うようになったそうです。

 

 


「レストランやお店が十分にある土地ではなく、

 

便利、不便どちらかというと、不便である土地だからこそ、

 

自然にお互いに助け合う意識がこの土地に住む人にはあります。

 

と倉科さんに教えていただきました。

 

 


この一連の話を聞いて、


このにし阿波という土地には、

 

人間が忘れかけているものがたくさん残っていると感じました。

 

 


人を気遣い助け合う心。

 

豊かな自然。

 

自然に合わせて生きる生き方。

 

 


倉科さんとアースシップから、たくさん気づかせてもらえました。

 

 


私も、少しずつでも、

 

地球によりそって生きる生き方を実現させていけたらいいな!

 

 


そんなアースシップ、


こちらは20205月からゲストハウスとしてスタートします!


詳しくは、Earthship MIMAのホームページをご覧くださいね↓

 

www.earthshipmima.com


 

 

また見学も随時受け入れしています。(有料です)

 

見学だけでも相当テンション上がりますよ〜〜〜!!

 

 

 


アースシップを見学、宿泊して、

 

自然に寄り添って生きる生き方をぜひ感じてみて、

 

ご自身のこれからの生き方の価値観の一つに加えてみませんか?


 

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アースシップから見た風景。秋は紅葉が綺麗なんだそうです!

 

 

倉科さん、貴重なお時間いただき、ありがとうございました! 

 

最後になりましたが、

 

この倉科さんへのインタビューが実現したのは

 

2月に開催された「社長のセナカプロジェクト」で、一緒に登壇させていただいたきっかけがありました。

 

絶対倉科さんのお話を、移住に興味ある人に伝えたい〜!!と思い、県西部総合県民局の担当者さんに申し出たら、賛同していただけて、実現しました。

 

このご縁を繋いでくださった、徳島健康科学総合センターのみなさま、そして、抜擢してくださった創業アドバイザーの里見先生にも感謝です!

 

 


とても長い文章になってしまいましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました。